静岡市テレワーク体験で見る地方創生のヒント:地方創生とテレワーク

図1

今、日本は急速な人口減少と少子高齢化の問題に直面しています。2008年の1億2,806万人をピークに人口減少に転じ、このまま何も手を打たなければ、100年足らずで4,959万人(現在の約40%)、明治時代の水準まで急減することが予想されています。この問題が地方社会に与える影響は、様々な公共サービスの低下や地域の社会経済環境に大きな変化をもたらします。特に地方から東京を中心とする大都市への人口流出がこのまま続いた場合、各自治体の市町村は消滅の危機を招きかねない状況です。このような潮流の中、今年8月、弊社グループのネットワンシステムズは静岡市と地方創生の推進に向けた連携に関する協定を締結しました。
<ニュースリリース>
静岡市とネットワンシステムズ株式会社との地方創生の推進に向けた連携に関する協定

同市も政令指定都市にも関わらず、人口減少という大きな問題を抱えており、ネットワンシステムズは本連携によりテレワークを中心とするICT推進を行い、移住・定住促進に連携した取り組みを行っています。本記事では東京で行っている業務を静岡庁舎内に設置したサテライトオフィスでテレワークという形態で実施してきましたので、その体験レポートをお届けします。

静岡市ってどんなところ?

静岡県は新幹線が横断しているため、東京はもちろんのこと、名古屋や大阪などの主要各都市へのアクセスにとても便利です。東京から静岡までは新幹線でたった1時間のため、通勤・通学圏にある街です。また富士山静岡空港もあるため、国内だけでなく海外へもひとっ飛びできます。東名高速道路も通っており、どの交通手段を使っても便利な立地です。

図8

食材×自然×住みやすさ

静岡市といえば、お茶が有名ですが、実は食材自体が非常に豊富な街です。まぐろの水揚げ量は日本一で桜えびやしらすといった海産物は特に有名です。また都会と田舎のバランスがよく、週末には海、山、川と静岡駅から30分程度で出会うことができるところは大きな魅力の1つです。2017年の住みたい田舎ランキングでは、若者世代が住みたい田舎部門2位、子育て世代が住みたい田舎部門2位、シニア世代が住みたい田舎部門3位とその住みやすさの人気を裏付けています。私自身も過去2年ほど、仕事で静岡市へ通いつめた経験がありますが、自然と都会をバランスよく楽しむことができる街だと実感しています。

図11

いざ、テレワーク会場へ

さて、協定提携先である静岡市役所静岡庁舎 に到着です。過去に市役所には個人利用でしかお邪魔することはありませんでしたので、当ビルで自社業務を行うというのは、何となく不思議な感覚で緊張感もありましたが、いざテレワーク実験会場に入るとそこは、いつもの東京オフィスとまったく変わらないワークスペースがありました。※右下の写真にあります通り、期間中は連日ほぼ満席になります。
テレワークツールとしては仮想デスクトップ(VDI)技術を用いて、会社の個人デスクトップに接続し、社内・外とのコラボレーションにはCisco TelePresence MX200(ビデオ会議システム:写真左下)やインターネットブラウザー上で利用可能なCisco Spark(クラウドベースのコラボレーションサービス)を活用します。

図13

テレワーク実験には様々な部門の社員がこちらに出社しています。私は営業寄りエンジニアのため外・内勤が週に約半々で、一般的にはどちらかというとテレワークには不向きと思われがちですが、実際これらコミュニケーションツールに使い慣れると、むしろ効率的に業務を進められるため、今では無くてはならないツールになっています。滞在中の社内・外お客様との打合せはサテライトオフィス内のビデオ会議システム(Cisco TelePresence MX200)経由で行いましたが、支障なく快適に進めることができました。またいつもと違った環境で仕事を行うため、新しい発想が生まれやすかったり、サテライトオフィス勤務の他部門の人たちとの交流が、図り易い点が大きなメリットとして感じられました。

図9また、今回実証実験のICTツールには含まれていませんが、弊社ではコンタクトセンターサービスとしてジェネシス社PureCloudを取り扱っています。このサービスではオペレーターは企業立地設備での勤務の他、在宅しながら働きたいママや若者、高齢者の方など年齢や性別を問わない多様な雇用を支援できるため、雇用の創出と地域の活性化に貢献することが可能です。また静岡市では新しいコンタクトセンター開設の助成制度もありますので、立地をご検討される方は弊社グループの働き方改革と合わせた導入支援が可能です。

シェアオフィス×コアワーキングスペース

今回訪問したサテライトオフィス以外に静岡庁舎から数分のところに、テレワーク実験期間中に法人契約しているシェアオフィス(コテラス)にもお邪魔しました。期間中にサテライトオフィスの混雑時や集中したい、気分を変えて仕事をしたいときに利用します。私は定時前にこちらに移動し、一人で行える集中業務を行いました。シェアオフィスというとクリエーターや起業家中心に利用するイメージでしたが、実際様々な職種と思われる方々が利用されており、東京と同様に静岡市でもこういった新しい形態の働き方が認知されてきているようです。

図5

風呂ワーク?

仕事帰りに、静岡庁舎からバスで5分くらいのところにおふろカフェと呼ばれる温泉施設があったため、日頃の疲れを癒しに行ってきました。東京では泉質のよい温泉施設は連日混み合うことが多いですが、ここは程々の混雑具合で、泉質も都内では味わえないくらいよいものでした。東京にあったら間違いなく通っていることでしょう。実は静岡県内の温泉は伊豆半島を中心とする温泉地が有名ですが、静岡駅からさくっと行ける温泉は結構あります。個人的には温泉設備も同市の大きな魅力と感じています。またなんとこのおふろカフェでは、Wi-Fi、電源を完備したワーキングスペースが備わっています。館内はリラックス目的に来ている人が大半なため、非常に静かで仕事に集中するにはとても良い環境でした。万が一急な仕事が入っても対応できるため、安心して入浴することができます。幸いこの日に急務はなく、入浴後はゆっくり静岡地ビールを楽しむことができました。

図10

まとめ

数日間の滞在であったため、多くは語れませんが、場所が静岡市でも、問題なく業務が進められた点はもちろんのこと、東京にいる時以上に、人との交流がより活発になる流れが作れるのではないか?またそれが働き方のICTツールと同様に、重要な要素になるのではないか?という点が印象に残りました。静岡市役所の従業員の方々は気軽に声をかけてくださいますし、ランチ先のお店や居酒屋のスタッフはどこも穏やかで話しやすい人柄を感じました。また東京では話す接点のない他部門の方と都心を離れ、同じ静岡市にいることでお互いコミュニケーションが図り易い関係であったことは、様々な面でイノベーション効果を高めるきっかけになると感じています。地方のサテライトオフィスが東京より社員同士の人材交流が活発で、新しいビジネスが生まれやすいワークプレースとして認知されていければ、結果として地方創生にもつながっていくのではないか?サテライトオフィスはそのような場所として育てていく意識が必要かもしれないと、帰りの新幹線でふと考えながら帰路につきました。

次回機会があれば静岡市のシェアハウス等で短期移住し、同市内でのつながりやコミュニティの価値を体感し、生活環境に根付いたレポートをお届けたいと思います。

図7

 

参考文献:

・日本の将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所 2017年7月31日)